も か


店名   もか

住所   東京都武蔵野市御殿山1−3−2

電話   (0422)44−5360

営業時間 1:00pm〜7:00pm
     (火・金曜日定休日)


 言わずと知れた名店‘吉祥寺 もか’。オーナーの標 交紀氏は、コーヒー研究家であり、コーヒー器具の収集家でもある。

平成12年6月までは、喫茶も併設していたが、多くの常連客から惜しまれながらも現在は、挽き売り店舗だけになってしまった。「コーヒーの味は豆でほぼ決まってしまう。良い豆さえ使えば、誰でも美味しいコーヒーが楽しめる。」一人でも多くの人にコーヒーを楽しんでもらいたいというオーナーの言葉に、選び抜かれたストレートコーヒーと、完成の域に達したブレンドコーヒー数種には、その言葉を立証させる力さえ感じた。現在は、こうした多くのファンに見守られながら、特にお気に入りの‘サン・ハラールモカ’を中心に提供しているという。エチオピアはコーヒーの故郷であり、際立つ香りと、甘味の中に広がる酸味が、サン・ハラールモカにしかない特徴と標氏は続けた。

6月までは、井の頭公園に隣接した住宅街の一角という立地の為に、午後の散歩を楽しむ人々の憩いの場でもあったが、現在は、それまでの客席部分に落ち着いたアンティークの椅子とテーブル、コーヒー関連の国々の古い器具類が、所狭しと並べられており、さながらコーヒー博物館となっている。扉に刻み込まれた‘CAFÉ MOCHA COLLECTION 1962’は、38年にもわたる「もか」の歴史と文化の香りさえ漂わせ、一歩踏み入れれば、そこは優雅な時間にタイムトリップさせてくれる異空間が待っている。

 

コーヒーがまだ異国の飲み物であった時代には、街角にはこれに似たお店が少なからずあったように感じる。その空間に居ることがステータスであり、異国を知る唯一の手段でもあった。置かれていた調度品の価値はわからずともそれを眺めたいるだけで充分に満足できる「心豊な時代」だったのかも判らない。こうしてこの店内に立っていると、古きよき時代の断片が頭の中を過ぎってくる。香り高いコーヒーと目に飛び込む異国の文化・・・まさしくここは、コーヒーの故郷ではないかと感じてしまう。

 



珈琲 美美

店名   珈琲 美美

住所   福岡市中央区今泉1−19−18
             中村屋ビル1階

電話   (092)713−6024

営業時間 11:00am〜8:30pm
     (火曜日定休日)


 九州の名店‘珈琲 美美’。あくまでも「一杯の珈琲」から世界を観るという立場を貫き、カウンター5席、テーブル2台(8席)の小さい空間の中で、ネル・ドリップの澄んだ珠玉の珈琲にこだわっておられます。オーナーの森光宗男氏は、幼少時代にハワイ・オアフ島に移民した叔母から送られて来るクリスマスプレゼントにワクワクしたと言います。その中には、アラビア人がコーヒーカップを持ったヒルズの赤い缶かMJBの缶がいつも入っており、当時の森光少年には、異国の香りと文化に大きな衝撃を受けたといいます。その後、この叔母の下に居候するチャンスが訪れた森光青年は、そこで観た日系移民の生活にさらに大きなショックを受け、帰国後の1972年から5年間、名店‘吉祥寺もか’に入店し、標氏の指導を受けられました。


1977年の12月に現在の福岡市に‘珈琲 美美’を開業しますが、アメリカン・コーヒー全盛時代の福岡では、深煎りのコーヒーはなかなか受け入れられず、開業当時はお客の来ない日が続いたそうです。しかし、シャブシャブのコーヒーだけは絶対に提供すまい・・・と、舌に記憶している感動したコーヒーの香味を目標に、信念を持って営業しておりました。当時、個性を貫く頑固さに興味を持って応援してくれたお客さんに助けられ、現在まで来れたとオーナーは言います。その後、清澄で、濁りのない微妙微細な‘美美’のコーヒー、福岡で支持されはじめるのにそれほど多くの時間はかかりませんでした。また、「モカだけに、あのスパイシーな香りがなぜあるのか?」という疑問からのスタートが毎年のようにイエメン、エチオピアに足を運ばせ、今年で合計7回目となりました。今でもイエメンの急な山岳地帯に植えられたコーヒーの木 を見た時に神秘の植物であると感じるそうです。我々の祖先が大切に残してくれた恵みのコーヒーは、歴史という時間を経ても変わることなく受け継がれ、今の姿を保っています。大切に育てられ、大切に受け継がれたモカコーヒーに敬意の気持ちを持って接するオーナーのカウンター越しの姿には、生活に密着していて、提供する者と提供される者が一つの時間と空間で合有されるさながら「モカコーヒー文化」を味わえる一瞬でした。





待夢珈琲店

店名   待夢珈琲店

住所   岐阜県瑞浪市一色町4−14

電話   (0572)68−7516

営業時間 8:00am〜9:00pm
     (火曜日定休日)


 人々が動き出す朝8時、朝の日差しとともにコーヒーのいい香りが店の周りを包み始めます。

白壁に太く黒い木をアクセントにした明治時代の洋館を模した‘待夢珈琲店’、まさしく街のシンボル的存在となっているように感じられます。店内は漆喰の壁に、ゆったりと32席を配置し、柔らかなソファーが出迎えてくれます。ノスタルジックな珈琲専門店という表現がぴったりとくる、落ち着いた店舗となっています。

 ‘待夢珈琲店’オーナーの今井さんは、人口4万人の瑞浪市の方々に美味しい珈琲を飲んでいただきたいと、毎日「一期一会」の精神でお客様をお迎えされております。そのときに提供できる最高の一杯、これがオーナーの人柄と共にカップに注がれ、人々を魅了してやまないものになっています。小さな町で、‘もてなす心’と‘最高の一杯’。これが、人々を魅了しているように感じられました。

 そして今井さんは、毎年のように足を運ぶイエメンで、長い間守り続けられた「モカコーヒー」を見た時から、この人達が大切に作ってくれたコーヒーだからこそ、自分なりにどのようにして、モカコーヒーを提供しようかと考え始めたそうです。コーヒーをコーヒーとして提供すること、それは、歴史の重さに敬意を評し、<当たり前>の気持ちを持ってコーヒーに接していかなくてはならないと感じておられました。奢る気持ちを持たずに、素直にコーヒーを表現することの難しさ。その気持ちがカップの中から滲み出て来たときこそ‘最高の一杯’となり、人々に愛されるコーヒーとなると今井さんは言います。

 クラシック音楽の流れるほんの少しの時間と、とびっきりのコーヒー。

小さな街の贅沢な時間は、人々に愛されながらゆっくりと流れているように感じました。