神戸には、幕末から明治32年までの約30年間、外国人居留地が現在のJR三宮駅と元町駅の間の南側に置かれていました。この時以来、神戸っ子に根付いた‘ハイカラ志向’こそが、コーヒーという異国の飲み物も受け入れる基盤を作ったように感じられます。この‘ハイカラ志向’が始まって約1世紀、外国人居留地の北側に位置するセンター街に「珈琲専門店 神戸珈琲物語 三宮センター街店」が昨年3月24日にオープンにしました。
ここに並べられる30数種のコーヒーは、「珈琲専門店 神戸珈琲物語」専任のクラシフィカドール(ポルトガル語でコーヒー鑑定士の意味)が、世界各国の高品質コーヒー農園を選び出し、厳選した原料で提供できる体制作りが取られています。
また、この高品質な原料は、同市内にある最新工場でコーヒーの旨味を充分に引き出すために、和歌山県の無形文化財に指定される紀州備長炭でじっくりと焙煎されます。この紀州備長炭と高品質コーヒーの出会いは、まさに技と技の融合であり、こうして出来上がったコーヒーは、製造から3日以内に店頭に並べられるようにシステム化にされています。コーヒーが生鮮食品であるという観点から、原料こそがコーヒーの基本的な品質を決定し、そのコーヒーの新鮮さを保持することによって、焙煎によって引き出された味、香り、コクといった品質も保持され、まさにこだわりの逸品だけがラインナップされています。
また、「珈琲専門店 神戸珈琲物語」では‘ナンバー1よりオンリー1’をスローガンに、個性とポリシーを持った商品提供と、神戸の伝統と地域に根付いた‘ハイカラ心’を大切にしたものつくりを心がけています。こうしたスローガン通にお店に一歩入ると、何処となくエキゾッチクな雰囲気と、スタッフの優しい笑顔で出迎えてくれます。ここにおかれた‘クラシックブレンド<北野坂>’や、‘アメリカンブレンド<海岸通>’のように、神戸を意識した商品のネーミング付けや、ヨーロピアンテイストのスケール(はかり)などは、地元神戸のお客様の‘ハイカラ心’を大切にした迎えるための物なのかもしれません。
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